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健康寿命をのばして、いつまでも元気に

● 日本は世界でも一番の高齢化社会

先進国の高齢化率を比較してみると、日本は1980年代までは下位でしたが、平成17(2005)年には最も高い水準となり、世界のどの国もこれまでに経験したことのない高齢化社会を迎えています。

世界の高齢化率の推移
グラフ:世界の高齢化率の推移
資料:UN,World Population Prospects : The 2010 Revision  ただし日本は、2010年までは総務省「国勢調査」、2015年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」の出生中位・死亡中位仮定による推計結果による。
(注) 先進地域とは、北部アメリカ、日本、ヨーロッパ、オーストラリア及びニュージランドからなる地域をいう。発展途上地域とは、アフリカ、アジア(日本を除く)、中南米、メラネシア、ミクロネシア、ポリネシアからなる地域をいう。

「世界の高齢化率の推移調査(内閣府)」 http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2013/zenbun/s1_1_5_02.html より作成

また、日本の人口の1 億2,730万人(平成25(2013)年10月1日現在)のうち、65歳以上の高齢者は3,190万人で、総人口に占める割合(高齢化率)は25.1%となっています。これはいわゆる「団塊の世代」が65歳に達しているためで、さらにこの世代が75歳以上となる平成37(2025)年には3,657 万人に達すると見込まれています。

日本の高齢化の推移
グラフ:日本の高齢化の推移
資料:2010年までは総務省「国勢調査」、2012年は総務省「人口推計」(平成24年10月1日現在)、2015年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」の出生中位仮定による推計結果
(注) 1950年〜2010年の総計は年齢不詳を含む。高齢化率の算出には分母から年齢不詳を除いている。

「高齢化の推移と将来推計調査(内閣府)」 http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2013/zenbun/s1_1_1_02.html より作成

● 注目されている健康寿命

男女ともが平均寿命で世界最高水準を達成するまでになっているなかで、いま注目されているのが「健康寿命」という考え方です。これは、介護などを必要とせず健康でいられる期間のことで、厚生労働省の発表(平成25年)によると、日本人の健康寿命は、男性が71.19歳、女性が74.21歳となっています。平均寿命との差は、それぞれ9.02年、12.40年もあるのです。単に長寿であるだけでなく、「いかに健康で過ごすことのできる期間を長く保つか」がとても大切といえます。

平均寿命と健康寿命の差
グラフ:平均寿命と健康寿命の差

資料:平均寿命(平成25年)は厚生労働省「平成25年簡易生命表」
健康寿命(平成25年)は、厚生労働省「平成25年簡易生命表」「厚生労働省平成25年人口動態統計」
総務省「平成25年推計人口」より算出

1)厚生労働省:『国民の健康寿命が延伸する社会』に向けた予防・健康管理に係る取組の推進 2013/08/30 http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12401250-Hokenkyoku-Iryouhitekiseikataisakusuishinshitsu/0000019922.pdf 2014/11/06参照
2)厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会・健康日本21(第二次) 各目標項目の進捗状況について http://www.mhlw.go.jp/file/05- Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/sinntyoku.pdf 2015/10/26参照

● 死因の第3位は肺炎

日本ではいま、毎年120万人を超える方が亡くなっています。死因の第1位は「がん」、次いで「心疾患」そして第3位が「肺炎」です。昭和22(1947)年には結核についで死因の2位だった肺炎は減少し、5位にまでなっていました。しかし昭和50(1975)年頃から再び増加し、平成23(2011)年には脳血管疾患を抜いて第3位になっています。

主な死因別にみた死亡率の年次推移(国内データ)
グラフ:主な死因別にみた死亡率の年次推移(国内データ)
(注)
  • 1994・95年の心疾患の低下は、死亡診断書(死体検案書)(1995年1月施行)において「死亡の原因欄には、疾患の終末期の状態としての心不全、呼吸不全等は書かないでください」という注意書きの施行前からの周知の影響によるものと考えられる。
  • 1995年の脳血管疾患の上昇の主な要因は、ICD-10(1995年1月適用)による原死因選択ルールの明確化によるものと考えられる。

厚生労働省:平成24年人口動態統計月報年計(概数)の概況
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai12/dl/gaikyou24.pdf 2013/06/28参照より作図

肺炎が3大死因に入ったのは、高齢化が進んだことが要因ともいわれています。なぜならば、肺炎で亡くなる年間約12万人中、96.8%が65歳以上だからです。

肺炎死亡者数に占める65歳以上の高齢者の割合(2012年)
グラフ:肺炎死亡者数に占める65歳以上の高齢者の割合(2012年)
厚生労働省:平成24年人口動態統計月報年計(概数)の概況
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai12/dl/gaikyou24.pdf
2013/06/28参照より作図

● 国をあげての取り組み

65歳を過ぎると加齢とともに免疫機能が低下するため、感染症にかかるリスクが高くなります。いかに健康を保って寿命をのばすかは、日本でも世界でも大きな課題となっています。ご家族やお孫さん、なによりもご自身のために、“病気になったら治す”だけでなく“病気にならないように予防する”ことが、未来の健康のためにもとても大切なことです。
そのため厚生労働省は、平成26(2014)年を「健康・予防元年」と位置付け、国民の健康づくりを図り、「国民の健康寿命が延伸する社会」の実現に向けた予防・健康管理の取り組みのひとつとして、「認知症の予防」などとともに「肺炎の予防対策」を掲げています。

高齢者への介護予防等の推進
  1. 介護・医療情報の「見える化」等を通じた介護予防等の更なる推進

    (※取組の推進により介護費約0.6兆円の効果額を目標)

    • 地方自治体が地域の実情に応じて効果的・効率的な介護予防・保健事業を行えるよう、地域単 位での介護・医療関連情報の「見える化」等による介護予防等の推進。
  2. 認知症早期支援体制の強化

    (※取組の推進により医療費約0.1兆円の効果額を目標)

    • 認知症の人が住み慣れた環境で暮らし続けられるよう、医療・介護で早期支援体制の構築
  3. 高齢者の肺炎予防の推進

    (※取組の推進により医療費約0.7兆円の効果額を目標)

    • 高齢者の誤嚥性肺炎の予防に向けた口腔ケア、成人用肺炎球菌ワクチン接種の推進
  4. 生涯現役社会の実現に向けた環境整備等
    • 高齢者と地域社会のニーズの有効なマッチングの仕組みの整備等を支援、シルバー人材センターの活用
  5. 厚生労働省:平成26年版白書 健康寿命の実現に向けて~健康・予防元年~
    第3章 健康寿命の延伸に向けた最近の取り組み
    http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/14/dl/1-03.pdf 図表3-1-27 より作図

生活習慣を見直す、運動器を鍛える、脳機能の低下を防ぐ、口腔ケアの充実など、私たちができることはいくつもありますが、肺炎球菌による感染症を予防する「予防接種」も健康寿命をのばすため、未来の健康ための、大切な選択肢のひとつです。

監修国立大学法人長崎大学 理事・副学長 河野 茂 先生

  • 成人用肺炎球菌ワクチンチェックシート
  • すぐにわかる!肺炎球菌感染症Q&A